おしらせ
2025/05/09

 【建設業経営者向け】一人親方を使うときに気をつけたい5つのリスク

現場の人手不足やコスト意識の高まりから、「一人親方」を外注として活用する建設会社様が増えています。

しかし実はこの「一人親方」、使い方を間違えると労災・税務・契約トラブルなどの重大リスクにつながることをご存じでしょうか?

今回は、現場を預かる経営者・管理者の方向けに、一人親方を使う際に注意すべきのポイントをわかりやすく解説します。


1. 「偽装請負」と判断されると、労基署から是正指導の可能性も

一人親方とは、本来は独立した個人事業主であり、業務委託(請負契約)での取引となります。
ですが、次のような現場運用をしていると、「実質は雇用」と見なされるおそれがあります。

  • 現場の出勤時間・作業手順を細かく指示している

  • 自前の工具や材料がなく、会社が支給している

  • 欠勤・遅刻に対してペナルティがある

  • 定額で毎月支払っている

こうしたケースは、「偽装請負(違法な外注化)」と判断され、労働基準監督署から是正勧告を受けるリスクがあります。


2. 労災事故が起きたとき、元請の責任が問われることも

一人親方は労災保険に自ら加入する「特別加入制度」がありますが、
加入していないまま現場で事故が起きると、「安全配慮義務違反」として元請業者が損害賠償を請求される事例も少なくありません。

実際に、現場での転落事故などで数百万円〜数千万円規模の請求に発展したケースもあります。
さらに、こうした事故はマスコミやSNSに拡散されやすく、企業イメージの低下にも直結します。


3. 税務調査で「外注費」が否認されるリスク

税務署から「この支払いは給与にあたる」と判断されると、以下のような問題が発生します。

  • 源泉所得税の未払い(過去分を遡って請求される)

  • 社会保険未加入による追徴

  • 消費税の仕入税額控除が否認される

一人親方への継続的な発注や、実質的に従業員と変わらない関係性が見られると、
税務署から“外注ではなく雇用”とされる可能性が高まります。


4.フリーランス新法(「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」)への対応

一人親方は、フリーランス新法の適用を受けるケースがあります。その場合、様々な法律への対応が求められます。

例えば、今までの取引慣例で一人親方に口頭で契約内容を伝えていた場合、今後は書面または電磁的方法(メール、SNSのメッセージ等)で取引条件を明示する義務が生じます。

▶一人親方との取引で気になることがある建設業者の方は、上部のお問合わせからご連絡をください。